武士道の「仁」
前に続いて、本日は、新渡戸稲造氏の『武士道』の「仁」についての解釈です。
「仁」とは・・・
人間としての思いやり、他者への憐みの心。弱き者や負けた者を見捨てない心。
前述の「義」と「勇」が男性的な徳とすれば「仁」は女性的な優しさ、母のような「徳」であると。
戦国武将の伊達正宗は、「義にすぐれば固くなる、仁にすぐれば弱くなる」とも言っている。
「義」に偏ると厳しすぎる、仁に偏ると「甘すぎる」という解釈で、「義」と「仁」のバランスが大事であるということだ。
しかしながら、「仁」の精神は人の上に立つものの必須徳目であるとも言っている。
「仁」の精神を育て、他社の気持ちを尊重することから生まれる謙虚さが次の「礼」の根源と。