正しい行動が「できる」ということ
最近は多くの企業で管理会計の手法がとりいれられている。企業の財務会計とは異なり、その利用方法や内容は各社の目的によって異なり、さまざまな形態がある。私は弊社にこの会計システムを取り入れたい。そのために組織を小さくする。京セラではその組織を「アメーバ」と呼んでいる。
取り入れる目的は、業務を通して「心の幸せ」目指すこと、経営者感覚を持った社員を一人でも多く育成したいこと、全員でベクトルを合わせる強い組織にしたいことなどだ。企業単位で扱うお金の額は大きく、しり込みしがちだが、よく考えてほしい。家庭では、給料という収入を家賃、光熱、通信、飲食、教育などに使用している。将来を見越して保険や貯金という形で(内部留保)している。家庭では家計簿(つけているつけていないはさておき・・・)という形でやりくりしている。家計簿がないにしても、自分にとっての収入「お小遣い」から、へそくり、飲食、交友などやりくりしているのだ。
収入以上に出費をすれば「借金」が発生するし、内部留保(貯金)の目減りがある。安い時に好きなものを大量買いしたり、家族でレジャー(福利厚生)を楽しむときもある。単位が小さくなれば、実際に行っている、実践できているのだ。家庭という組織の社長、リーダーとして判断している。
これは、家庭、自分のことと思うから意識しなくてもやっているし、やろうと思うのだ。だから1日、人生の中でも多くの時間を費やす会社生活においても、同様な「意識」をもつ、感じさえすれば、だれでも家庭で普通にやっているようにできる。その支出は家庭のリーダーの考え方によって左右され、その考え方が共有されているために夫婦同意でさまざまに判断され実践されている。
弊社でも組織の中での考え方を共有し、できなくても反省や振り返りができる状態にして全員が同じ行動が実践できるようにしたい。究極は企業を存続させることで、各家庭を守るために必要なことだと思っている。
「管理会計の導入でそんな目的ができるわけがない」と思われるかもしれないが、その過程には見えない目標や到達すべき層がいくつもあり、そのゴールが上記の目的なのです。