敬天愛人
表記の言葉をご存知の方も多いことだろう。地元の偉人西郷隆盛の唱えた言葉です。
天を敬い、人を愛する と単純な字の解釈で思っている人も多いことでしょう。
決して間違いではないだろうし、私も深く考えたことがなかった。
「天」は「天道」の意味で、人が生きる上で道理を守るという意味でつかわれている「天」。
人間は生まれながらにして「煩悩(欲望、怒り、愚痴等)」と「自由」を持ち合わせている。
欲望が強いと、足るを知ることをせず、持戒もできず隣のもの(当時は領地や石など)や人のものを欲して、戦となる。欲望がかなわないと「怒る」、思い通りにならないと「不平不満や愚痴」をこぼす。その「煩悩」(特に欲望)を抑えることなく「自由」にふるまうために、事件や事故が起こり、現在では地球規模に人間に襲いかかる環境破壊や天災が起こっている。
人間の「心」が持っている、本能心、理性心、霊性心≒良知 の中の「良知の意識」で煩悩と自由を抑えなければならない。
「良知」とは、人間が本来持っている良心・真理のこと。良知に沿った生き方を「天道」といい、人が本来持っている「美しい心」や「ふるまい」である。道理を守ることが「敬天」の意味である。
人は皆自分の同胞であり、仁の心をもって衆を愛することが「愛人」の意味である。
「仁」とは、主に「他人に対する親愛の情、優しさ」を意味しており、儒教における最重要な「五常の徳」のひとつ。また仁と義を合わせて、「仁義」と呼ぶ。
人間として心の奥にある正しい意識に従って振る舞い、言葉を使う。
自分の欲望を抑えて、他人を思いやり、他人のための行いをする。
まさに、「利他の心」を表すそのものの言葉ですね。言葉の解釈はできても、なかなか実践できるものではありません。
しかし、その「意識」を絶えず持っていると、「信念」昇華していくはずです。