嶮山深谷(けんざんしんこく)
修養の途上には、しばしば嶮山深谷(けんざんしんこく)があると。
まして過去の長い間、少しもそうした方面に、意識を向けることなしに生活していた人たちには、
それ相当の努力を一層必要とするのが、これまた当然のことであるから、
あらかじめそれを充分「我が意念」として、怠る心に鞭打つ気組みで熱心に実践を継続しなければならない。
そうすれば、必ず追々と、初期の目的を達成し得ることは、これまた必至である。
要は、ただ一心不乱に、いったん実践を志したならば、何かの効果事実を把握するまでは、絶対中止しないと
固く自己自身の心に誓うべきである。
(中村天風 一日一話より)