信用→信じる者→儲け
先日のたまたま見ていたテレビでのこと。石川の伝統産業の一つに輪島の漆器がある。今もそうかもしれないが昔の輪島塗の方々の行商の話をパロディ風に演じるものだった。
新しいお客様訪問するときの話だ。「輪島の漆器を扱う〇〇です」と言って中に入れていただく。商品を持参していることは当然相手には伝わるが、行商人は商売の話をしない。家に飾ってある絵を見て、その絵について「はぁ~なんと趣のある絵でしょう!」と話を切り出したのだ。家の主人は、自分が大事にしているその絵について関心を持ってもらったことがうれしく、絵について話し出す。家に飾ってあるものは、その方の気に入っっているものを飾ることが多い。皆さんも興味関心のないものをわざわざ飾ることはないでしょう。
ましては、人に目につく玄関や床の間などに飾ってあるものはその多くが、その家の主人のお気に入りや思い出のある物のであることが多い。とかく、趣味については家族はもちろん他人もあまり聞いてくれないものだから、そのことに触れられた主人は気持ちよく話を始めるのだ。
通り一遍の話が終わると、主人が「で、その商品を見ようか」と切り出した。そのあとに出てきたテロップが上の画像。その日はそれでおしまいにする。「いい話を聞けました。」「こんな素晴らしい絵が地元にあるなんて、地域の宝ですね~」など少し「よいしょ」するような話をしたあと、に失礼しているのだそうです。要は、自分と相手を理解しあって信用をいただいき信頼関係ができた後であれば、儲け=商売はいくらでもできるというお話だったのだろう。
「儲け」という字は「信じる」「者」と書くのもうなづける。
弊社も1回1回の訪問においてはお客様が不在のことも多い。不在だからこそ、信用をいただけるようにしっかりとした身なり、よそにも聞こえる挨拶、後から見てもわかる作業を提供しなければならない。来たのか来ないのかわからないよりも、来たことがわかるほうが「伝わる」のだ。伝われば「信用」にまでは至らなくても「不審」にはならない。