社長のビジネスブログ

「くじ引き」からわかる人の行動特性

以下の2種類のくじをひいてみてください。

Q1 2つのパターンのくじのどちらを選択しますか?

 ①もれなく¥10000円がもらえるくじ。

 ②コインを投げ「表」なら¥20000円が当たるが、「裏」ならばはずれるくじ。

Q2 同様に2つのパターンのくじのどちらを選択しますか?

 ①もれなく¥10000を罰金として取られるくじ。

 ②コインを投げ「表」なら¥20000円を罰金として取られるが、「裏」ならば免除されるくじ。

 

ある実験では、Q1で①を選んだ人60% Q2で①を選んだ人30% ②を選んだ人70%だった。どの価値を選んでも金銭的価値は同じ¥10000。

しかし、Q1では得られる金額が少なくても堅実性のある選択肢を選ぶ。少なくても「¥10000が入らない」というリスクを回避する。 Q2では、「罰金を払わないといけない」という損失を回避しようと行動します。つまり、多少のリスクがあっても罰金が免除される方を選ぶ人が多くなります。

人間は目の前に利益があると、利益が得られなくなることを回避しようと考え、
損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向がある

「利益」と「損失」では「損失」のほうがより強く人の印象に残り、それを回避しようとする行動をとる。これを経済学では「損失回避性」というらしい。

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人は誰でも、けっして満足した生活では無いにしても、今ある大切なモノを無くす危険に遭遇すれば、本気になって闘う。

例えば、商品を売る場合
商品を買うことによって、生活上、何かがプラスされるのでは無く、商品を買うことによって、無くしたくないモノを守れるという説得をすべきである。
それは商品の種類や性能を問わない。プロスペクト理論的に商品の付加価値を貴方は考えるだけ。

もしもお客様が最終的に購入を迷っているのならば、この価値は今だけと期間限定にするのだ。
期間限定こそ、今ある価値を目の前で無くすという恐怖を煽る優秀なプロスペクト商法である。

「プロスペクト理論より引用 : http://bloom.at.webry.info/201209/article_3.html 」

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たとえ例もう一つ。ある省エネ対策のカタログにこう書かれてありました。

①「この家の省エネ対策をすると、年間4万円の節約ができます。」
②「この家の省エネ対策をしないと、年間4万円損をします。」

さあこれなら、①と②のどちらにインパクトを感じるでしょう?これも冷静に判断すれば言っていることは同じなんですけど。やはりここでも人は失うことには敏感なようです。(損失回避性)いかがでしょう?
②の方がインパクト強く感じませんでしたか?
このように感覚的には、損をする方がインパクト強くなってしまうようです。
「節約」という言葉って「損」に比べるとちょっとだけ距離を感じてしまいますよね。なぜなら、損の方が感情に直接つながっている言葉だからです。誰でも過去に「損」をした経験があるものですから、感情的にとらえることができます。でも「節約」となると過去に経験したとしても、それほど感情に結びついていない。。。少なくとも「損」にくらべたら希薄です。

「大人として知っておくべき損について:http://ameblo.jp/re-innovator/entry-10316588207.html より引用」

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たとえ話をもう一つ。

あなたが夜眠っているときに急に電話が鳴って叩き起こされ、次のような事を言われるとします。この時にどのような感情になるでしょうか。

①「おめでとうございます。一ヶ月前に応募して頂いた懸賞ですが、見事一等の車が当選しました。これから手続きをしますので、深夜ではありますが営業所に来てください」

多分、ほとんどの人は「今何時だと思っているんだ」と怒り出します。車が当選したとは言え、人を起こしてまで真夜中に電話をかけてくるのは非常識だと考えます。 それでは、次の場合はどうでしょうか。

 ②「今すぐ起きてください。あなたの車が車上荒らしにあっています」

このケースであると、一気に目が覚めて飛び出していくと思います。そして、電話をかけてくれた人に「よく知らせてくれた」と感謝します。

 人は損失を恐れる
このように、人は得られる物よりも失う恐怖の方が大きいです。そのため、ビジネスを行う場合でも実は「○○をプレゼント」よりも「○○のプレゼントはあと三日間だけです」と失ってしまうことを伝えた方が効果的になります

「ビジネス志向への転換:http://pharm-kusuri.com/psychologia/sonshitu.html より引用」